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2012年5月29日

携帯緑茶にワンタッチ手巻き寿司?「FOODEX JAPAN2012」で発見した"日本食"最前線

「FOODEX JAPAN2012」が、去る3月6~9日、千葉・幕張メッセにて開催された。

このイベント、食品関係者なら知らない人はいない、1976年から続く食品・飲料専門展示会。今年は72カ国・地域2391のサプライヤー、合計8万人ものバイヤーが来場した、この種のものとしてはアジア最大級の規模を誇るのだが、あいにく一般の入場は一切不可。そこで、週プレが潜入してきた!

広い場内は、国内出展ゾーンと海外出展ゾーンに大きく分けられ、個々のブースには生鮮食料品、加工食品、菓子・デザート・スナック類、調味料といったあらゆる食品から、ワイン、ビール、リキュール、ハードリカー、ソフトドリンクなど各種飲料までが並ぶ。

国内は札幌から沖縄までは当然、八丈島や石垣島まで、海外はアメリカ、ヨーロッパから、南米やアフリカなどの国の品々が並ぶ。特に海外ゾーンでは、フルーツや菓子類など見たことのないものも多く並び、眺めるだけでも楽しい。もちろん試食も可能だ。

特に今年は日本にとって復興元年にして、折からの日本食ブーム。国内のサプライヤーはカラフルなハッピを着たり、実演を行なうなど活気十分。海外サプライヤーのほうも、TPPによる市場開放や円高による輸入意欲増加を見込み、やる気満々。地域色濃い衣装に身を包んだ美人コンパニオンを立てたり、大掛かりなセットによるブースを組むなど、どの出展社も熱気いっぱい。さながら食品業界における国家間交流の最前線といった感じだ。
 

そんななか、筆者が気になったのは……、じつは食品ではなかった。国内ゾーンで、カラフルな食材などに混じって展示されていた、食品パッケージや特殊な調味料。これが面白かったのだ!

たとえば、「好きだっ茶」(浅原工業)は、ペンの形をした携帯用粉末容器。これを持ち歩いていれば、好きな時にペットボトルのお水に差して、緑茶を飲めるという優れもの。「柚子ポン酢ペースト」(大分・まるはら)は、ペースト状のポン酢が、ボトルから細い線のように出て、味付けだけでなく絵なども書ける調味料。「ワンタッチ手巻寿司」(藤正)は円錐状をした包装資材で言ってみれば、コンビニのおにぎりの包装材の寿司版。片手でさっと手巻き寿司が作れてしまうという品だ。

実際にどのブースも来場者が多く、なかには外国人の姿も見られる。スタッフに訊ねてみたところ、どちらもじつは海外からの注文が増えているのだとか。特に「ワンタッチ~」は昨今の寿司人気もあり、あっという間に一日分のサンプルがはけてしまったそう。

関係者によれば、最近は、世界的な日本食がブームとなる一方、和食器をはじめ、食文化全般に対する評価も高まっているとか。ただ美味しいものを食べるだけでなく、食べ方や見せ方などあらゆる方面にもこだわる、日本の食文化はじつはかなり奥深い。日本人としてはさほど意識することはない食の常識が、世界に知られていきつつある。

「SUSHI」や「SAKE」だけでなく、世界的に知られていく、日本発の食関連品がこうした場から、続々と生まれることもあるかもしれない。

  週プレNEWS 3月27日(火)15時45分配信 

 

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