延伸フィルムとは
フィルムは溶かした原料の樹脂を、フラットな状態で押し出して、冷やすことによって成形されます。
押し出し成形された直後のフィルムは長い分子が複雑にからみあって、毛糸をほどいて手で丸めたような状態になっている。
これを縦方向に引っ張る事で分子はまっすぐ伸びて整列します。
このような方法で作られるのが一軸延伸フィルムであり、これを横方向にも引っ張る事で、縦横ともに引っ張り強度を持った二軸延伸フィルム(OPP)が出来上がります。
袋状にした物など包装分野でもっとも広く使われている二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムは、こうしたフィルムの特性を利用したものです。
一軸延伸フィルムは、引っ張った方向に分子が伸びきっているので、同じ方向では、ほとんど伸びが無いのですが、別の方向にはい直線に裂くことが出来ます。
この特性を利用したのが、レトルトや菓子包装などに利用されているカット性フィルムです。
プラスチックフィルムは延伸したまま放置すると徐々に縮もうとするが、引っ張った状態で熱をかける事で、この温度以上にならないかぎり収縮しないようになる。
これを熱固定すると言い、逆に熱固定せずに収縮する性質を利用したのが、収縮フィルム(シュリンクフィルム)です。
プラスチックフィルムは製造過程で一定の方向に引っ張って延ばす加工をする事で、同じ方向の引っ張る力に対して非常に強いフィルムを作る事ができます。
その性質は、PPバンド等の梱包の結束材に使われています。
単に引っ張りに強いだけでなく、対摩耗性もあり表面が滑らかで、サイズを均一にでき機械適正に優れているのが大きな特長です。